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MagicNight 〜Blade of Chain〜
タッタッタッタ
トリスティア(大人)剣と魔法が歴史を動かすゼノム大陸。
トリスティア(子)「おとうさん…。おとうさん、おとうさん、どこ?」
トリスティア(大人)どこの世でも人は、弱い、もろくて、はかなくて
トリスティア(子)「おとうさん、どこ…どこにいるの?」
トリスティア(大人)力をもたない…。
トリスティア(子)「おとうんさん?おとうさん〜?」
トリスティア(大人)…だから、絆を求める。…だからこそ繋ぎとめようとする。
トリスティア「どこにいるの?おとうさん、おとうさん?」
トリスティア(大人)……いつまでも、そばにいたいから
MagicNight 〜Blade of Chain〜(タイトルコール)
☆ライト家屋敷前(うつてなしのアレフの前に魔法騎士部隊長トリスティアが現れる。)
ザワザワザワザワ(人が騒いでいる音)
パチパチパチ(焚き火の音)
タッタッタ(歩く音)
騎士A「まて、止まれ。」
タッタ。
騎士A「どこへ行くつもりだ。ここから先は、王国騎士団第1部隊の作戦会議中につき、関係者以外通すわけにはいかない。」
トリスティア「私は関係者だ。」
騎士A「なに?」
チャ(剣の音)
トリスティア「おまえはこの剣が目に入らないのか?」
騎士A「はっ…ははっ!しっ、失礼しました!」
タッタッタ(歩く音)
☆作戦会議室
パチパチパチ(焚き火の音)
パサッ(テントをめくる音)
騎士B「将軍、アレフ将軍!」
アレフ「来たか。で、首尾はどうだ?」
騎士B「東の湖の方を回ってみましたが…だめです、いたるところに罠がしかけられています。」
アレフ「西の森の方はどうだ?」
騎士B「どちらも高度な細工が施されていて…我々では手のだしようがありません。」
アレフ「ちっ、やつらめ。プロを雇ったか…。やっかいだ。」
パサッ(テントをめくる音)
騎士A「し、将軍!」
タッタッタッタ(走る)
騎士A「将軍。第7部隊の部隊長殿がお見えになりました。なんでも将軍にお会いしたいとか…。」
アレフ「…第7?…魔法騎士団のものがいったいなんのようだ?…わかった、通せ。」
騎士A「はっ。」
バサッ(テントの入り口をめくる)
トリスティア「ずいぶんと苦労してるようだな。将軍殿。」
アレフ「…おまえは!?」
トリスティア「久しぶりだな、アレフ。」
アレフ「……トリスティア……そうか、今度若い騎士が部隊長になったとは聞いていたが…。まさかおまえのことだったとは。」
トリスティア「…まったく、少しは魔法を使える人間を作戦に加える気になったらどうだ?エルがすねていたぞ。『私はいつも追いてきぼりだ。』って。」
アレフ「…エル…。」
トリスティア「…ふ、まあいい…で、状況はどうなってる?」
アレフ「…今、人質を取って立てこもっているのは例の邪教集団の残党だ。」
トリスティア「例の……あの信仰のためには死ぬことすら恐れないイカれたやつらのことだな。」
アレフ「…ああ。要求は捕まっている教祖の釈放。しかし、立てこもった家のものにはずいぶんと私怨があるらしい。」
トリスティア「…なるほど。先の一件にはここの家の連中が絡んでいたのか…。」
アレフ「…おそらく、無傷で人質を開放する気はないとだろう。…なんとか屋敷内に侵入を図ろうかと偵察隊に付近をあたらせたが、屋敷のいたるところに罠がしかけてあるらしくて…くっ。」
トリスティア「八方ふさがりか。…まぁ無理もない、『敵に人質をとられた場合、うかつに行動にうつすのは自殺好意』、だった、かな。」
アレフ「…トリスティア。」
パチパチパチ(焚き火の音)
トリスティア「…まるで、あのときと同じだな。」
アレフ「…。」
トリスティア「…。」
アレフ「…。」
トリスティア「…よし……私が突破口を開いてやる。」
アレフ「!?…手があるというのか?」
チャキ(剣の音)
トリスティア「ひとつだけ良い手がある。その手を使えばこの場の均衡を崩すことができるぞ。…もっとも、そのあとはおまえのうで次第だがな。」
アレフ「…。」
トリスティア「…ふふ、そんな顔をするなアレフ。大丈夫だ、私はあんな奴らになんか遅れをとらないさ。それに私は、」
トリスティア ―こんなところで、立ち止まるわけにはいかない―(エコー)
☆フォレスター廷(時は今より数年前。フォレスター将軍が一人娘トリスティアに剣の稽古をつけている、そこにアレフがやってくる。)
トリスティア「やぁ…はっ…とぉ…えいっ。」(リバーブからだんだん普通になる)
噴水の音フェードイン
キンッ、キンッ、キンッ(剣の音)
トリスティア「やぁっ!!」
フォレスター「ふんっ。」
キンッ(剣の音)
フォレスター「違う。」
トリスティア「とぉっ!!」
キンッ(剣の音)
フォレスター「まだだ!まだ脇がしまってない!」
トリスティア「はぁっ!」
キンッ(剣の音)
フォレスター「よし、いいぞ。その調子だ。」
キンッ、キンッ(剣の音)
トリスティア「いやぁああ!!」
キンッ!(剣の音)
フォレスター「よし!そこまで。」
ザシュ(地面に剣をつきたてる)
トリスティア「……はぁ…はぁ…」
パチパチ(拍手)
フォレスター「今の踏み込みは良かった。今までで1番いいぞ、トリスティア。」
トリスティア「ほんと?父様?」
フォレスター「ああ、見事なのものだ。相変わらず飲みこみがはやいな。」
トリスティア「父さまの教えがいいんですよ。」
フォレスター「…まったく、まともに剣も振るうことすらできなかった昔がうそのようだな。」
トリスティア「ふふ」
タッタッタ
アレフ「将軍!」
タッタ。
アレフ「フォレスター将軍、こちらにおられましたか。」
フォレスター「アレフか?どうした。」
アレフ「先ほど軍師様から連絡がありました。急な話ですが軍議を開くので将軍を呼んでもらいたいとのことで。」
フォレスター「…この間の野盗討伐の件だな。わかった、したくをしてくる。アレフ、少しまっててくれ。」
アレフ「はい。」
フォレスター「…トリスティア、今日の稽古はここまでとしよう。でかけてくるぞ。」
トリスティア「はい、父様。」
タッタッタ
アレフ「…君は?」
☆引き続きフォレスター廷(トリスティアとアレフの会話。母親がいなくなり無気力になった娘に愛情を注ぐため、剣を教え始めた。)
(噴水の音)
アレフ「そうか、君は、将軍の。」
トリスティア「そうだ、知らなかったのか?」
アレフ「…ああ、将軍は自分のことをあまり話したがらないから。…そうだな、将軍のことで知ってるといえば、確か奥さんが以前魔法使いの部隊にいたことぐらいしか…あっ。」
トリスティア「…。」
アレフ「…すまない。」
トリスティア「…気にするな、ひきずっていないといえば嘘になるが…それは戦いに身を投じるものの背負う宿命だということくらい納得している。…それに。」
チャキ
トリスティア「…それに今は、父様が剣を教えてくれるからな。それだけで、私は充分なのさ。」
アレフ「…将軍が?君に剣を?」
トリスティア「ああ。ちょうど母様がなくなられてからだろうか…」
アレフ「…」
トリスティア「…ここだけの話だがな。私は、いずれ聖騎士団入団を志願しようかと考えているんだ。この剣で少しでも父様の力になりたい。だからな、そのときはよろしく頼むぞ。」
アレフ「…。」
トリスティア「…。」
アレフ「…。」
トリスティア「…なんだ?さっきからだまって…女だてらに剣を振う姿はそんなにめずらしいか?」
アレフ「いや、そんなことはないと思うが…。…しかし…。」
トリスティア「…。」
アレフ「いや…なんでもない。」
トリスティア「はは。…なんだ、変なやつだな。」
タッタッタ
フォレスター「アレフ、待たせたな。」
☆城、王立施療院。アレフとエルの会話(アレフの怪我を治療するエル。そこにトリスティアがやってくる。)
カランカラン(ビンの音とか)
エル「これでよし。」
アレフ「…」
エル「痛みをやわらげる薬草を調合して塗っておいたから、少しは傷を気にしないで動けると思うよ。」
アレフ「ああ、すまない」
エル「…ねぇ、本当に治癒の魔法をかけなくていいの?」
アレフ「ああ、大丈夫だ。」
エル「でも、次の任務もせまっているんでしょ?」
アレフ「…悪いな…魔法は好きじゃない。」
エル「…ふぅ。頑固ねぇ。」
アレフ「頑固だ。」
エル「…はいはい。」
ガチャ、バタン(ドアを開けて、閉める)
トリスティア「失礼する。…あっ。」
「…君は、」
トリスティア「父様の部下の…アレフ、だったな。」
「ああ。…こんなところになんのようだ?」
トリスティア「父様に頼まれて、薬草を取りに来たのだが、ここに『月夜草』はおいてあるか?」
エル「…えっと…これのこと?」
キン(ビンの音)
トリスティア「それだ…。…ありがとう、失礼する。」
ガチャ、バタン(ドアを開けて、閉める)
エル「あのコは?」
アレフ「将軍の娘さんだ。確かトリスティアという名の。」
エル「将軍様の?」
アレフ「ああ、一人娘だそうだ。」
エル「そうなんだ……。……あっ、あれっ?そういえば…。」
アレフ「どうした?」
エル「将軍様といえば。ちょっと前にね、誰かが将軍様の命を狙っているという噂を聞いたことがあるの。」
アレフ「…将軍の命を?まさか。あの方を良く思わないやつはそういないだろう…。」
エル「お師様が言ってたよ、『光あるところに闇もまたある』って。私には難しいことなんてわからないけど、ようするに悪人にとっては英雄なんて目の上のタンコブなんでしょうね。」
アレフ「…」
エル「…アレフ?」
アレフ「…心配だな。あの方がそんな輩に遅れをとるとは思えないが、そいつらにとっては家族もまた標的となりかねないからな…。」
エル「…もしかして、あのコのこと気にかけていたりする?」
アレフ「なんだ?焼いているのか?」
エル「べっつに。…ほら、終わったよ。」
ペチッ
アレフ「あいて。」
エル「ふん。」
アレフ「…っぅ…ただな。」
エル「?」
アレフ「このあいだ、将軍が彼女に剣技を教えているのをみたんだ。」
エル「…?…どうして『ただ』なの?いいじゃない、きっと護身術か何かのつもりで教えているんでしょ?」
アレフ「…将軍の剣技は護身術なんかじゃない、白兵戦を主に務める騎士のために開発された、敵を根こそぎなぎ倒す剣技なんだ。それにあのコはおそらく…」
エル「…?」
(後半へ続く。)